『うっせぇわ』=アダルトチルドレン?!

今日は、今話題の『うっせぇわ』をカウンセラー目線で
解説してみようと思います☆

なかなか面白い記事になりましたので、
興味本位で読んでいただいても、
読み応えがあるのではないかと思います~♪

さて、“『うっせぇわ』って、そもそも何?”
という方もいらっしゃると思うので、簡単に紹介させていただきます。

『うっせぇわ』は、日本の高校生歌手・Adoの楽曲で、
メジャー1作目の配信限定シングルとして2020年10月23日にリリースされました。

楽曲制作はボカロPのsyudouが手掛けています。

2021年3月20日、YouTubeのMV再生回数が1億回を突破し、
子どもたちまでもが口ずさむ、大ヒット曲となっています。

我が子たちも、毎日のようにこの曲を歌っておりますが、
歌詞はてんで滅茶苦茶…。

それもそのはず、
この世界観は子どもには分かるはずもなく…。

そんなわけで、長いですが、
以下に歌詞を載せてみます。

 

正しさとは 愚かさとは
それが何か見せつけてやる

ちっちゃな頃から優等生
気づいたら大人になっていた
ナイフの様な思考回路
待ち合わせる訳もなく
 
でも 遊び足りない 何か足りない
困っちまうこれは誰かのせい
あてもなくただ混乱するエイデイ
 
それもそっか
最新の流行は当然の把握
経済の動向も通勤時チェック
純情な精神で入社しワーク
社会人じゃ当然のルールです
 
はぁ?うっせぇ うっせぇ うっせぇわ
あなたが思うより健康です
一切合切凡庸な
あなたじゃ分からないかもね
 
嗚呼よく似合う
その可もなく不可もないメロディー
うっせぇうっせぇうっせぇわ
頭の出来が違うので問題はナシ
 
つっても私 模範人間
殴ったりするのはノーセンキュー
だったら言葉の銃口を
その頭に 突きつけて 撃てば
マジ ヤバない?止まれやしない
不平不満垂れて成れの果て
サディスティックに変貌する精神
 
クソだりぃな
酒が空いたグラスあれば直ぐに注ぎなさい
皆がつまみ易いように串外しなさい
会計や注文は先陣を切る
不文律最低限のマナーです
 
はぁ?うっせぇうっせぇうっせぇわ
くせぇ口塞げや限界です
絶対 絶対 現代の代弁者は私やろがい
 
もう見飽きたわ
二番煎じ 言い換えの パロディ
うっせぇうっせぇうっせぇわ
丸々と肉付いたその顔面にバツ
 
うっせぇうっせぇうっせぇわ
 
うっせぇうっせぇうっせぇわ
 
私が俗に言う天才です
 
うっせぇ うっせぇ うっせぇわ
あなたが思うより健康です
一切合切凡庸な
あなたじゃ分からないかもね
 
嗚呼つまらねぇ
何回聞かせるんだそのメモリー
うっせぇうっせぇうっせぇわ
アタシも大概だけど
どうだっていいぜ
問題はナシ

 
改めて読むと、やはり衝撃的な歌詞ですね…。
 
こんな口の悪い歌詞を歌わないでほしい!
と、願う親御さんが多いのも頷けます。
 
ただ、子どもはきっと面白がって歌っているだけなので、
子どもたちは悪くないのですが、
その意味を知ってしまっている大人からすると、
ちょっと…と思うのが正直なところです。
 
 
ではなぜ、この歌が流行るのか?
 
実際、この歌詞に共感する人が多いのも、事実だからですよね。
 
その共感ポイントは、これ☆
 
「アダルトチルドレン」!!
 
ちなみに“「アダルトチルドレン」って何?”
という方は、こちらの記事(←「アダルトチルドレン」ってなぁに?)をご参照くださいね☆
 
 
以下に、アダルトチルドレンの特徴をあげてみます。
 
・周囲が期待しているように振る舞おうとする
・何もしない完璧主義者である
・尊大で誇大的な考え(や妄想)を抱いている
・「NO」が言えない
・しがみつきと愛情を混同する
・被害妄想におちいりやすい
・表情に乏しい
・楽しめない、遊べない
・フリをする
・環境の変化を嫌う
・他人に承認されることを渇望し、さびしがる
・自己処罰に嗜癖している
・抑うつ的で無力感を訴える。その一方で心身症や嗜癖行動に走りやすい
・離人感がともないやすい
 
 
 
…これ、全部歌詞に当てはまっていると思いませんか?
 
 
以下、先ほどの特徴を少し書き換えてみました。
 
周囲が期待しているように振る舞おうとするけれども、
現実には何もしない完璧主義者であり、
尊大で誇大的な考え(や妄想)を抱きつつ、
実際には「NO」が言えない。

過去や現実のしがみつき
と愛情を混同し、
完全に被害妄想におちいるがゆえに、
仕事面では表情に乏しく、
人生を楽しめない
し、遊べない。

優等生のフリ
をして
しかし環境の変化を嫌うけれども、
本当は他人に承認されることを渇望
し、さびしがっている。
 
自己処罰に嗜癖し、
抑うつ的で無力感を訴える一方で心身症や嗜癖行動に走りやすく、
離人感がともないやすい。
 
 
 
 
まさしく、この主人公は「アダルトチルドレン」なのです。
 
そして、それに共感している私たち日本人は、
「アダルトチルドレン」要素を持っている方が多いのではないか?と思うのです
 
『うっせぇわ』を歌っているのは女子高生ですが、
歌詞を書いた人は20代後半の方と聞いています。
 
そして、これを聴いているのが、
Youtubeを中心に20代くらいまでの方たちだとすれば、
大人に反抗するくらいの年齢の方に、多く共感を呼んでいるのかもしれません。
 
現実として、今の日本の子どもたちは、
「反抗期」の無い子どもが増えていると言われています。
 
実際、私も反抗期の無い人でした。
 
しかし、反抗期が無いとアダルトチルドレンになりやすくなる、
という研究結果も出ています。
 
そうなると、40歳前後で「反抗期」が来たりするそうなのです。
 
“親のせいで…”
“自分は悪くない…”
“本当はこんな人生を歩みたくなかった…”
 
でも、そう思えるのは、
やっと自分と親の境界線が引けるようになったということなのです。
 
 
戦時中、日本は「欲しがりません、勝つまでは」を心に、
生きるか死ぬかの生活を送ってきました。
 
そして、高度経済成長期に入り、
「良い学校に行き、良い会社に入る」ことで、
素晴らしい人生を送れると考えられてきました。
 
その後、バブル崩壊・リーマンショックが起こり、
大手の有名な会社に入っても、
良い人生を送ることはできないことが分かり、
じゃあ、どうすれば良い人生を送れるのか?を
自問自答しながら生きているのが、今の私たちです。
 
「ゆとり教育」が終わり、
今は「生きる力を育む教育」をモットーに学校教育が行われていますが、
“目に見えないもの”を育むことは、非常に難しいことでもあります。
 
なぜなら、私たちは「目に見える教育」を受けてきたからです。
 
それは、言い換えるなら「答えはひとつ」という教育。
 
質問に対して、正解を求めてきた私たちが、
「正解はない」世界に生きるのは、
とても勇気がいるし、
とても不安になることです。
 
でも、今は、それが大事なのだと思います。
 
「答えはない」
 
もうひとつ言うなら、
 
「答えは“あなたの中だけにある”」
 
ということです。
 
人と比べることではない。
人と争うことでもない。
人に評価されるものでもない。
 
しかし、心配や不安を感じたときは、
 
人に相談してもいいし、
人を頼ってもいいし、
人に「助けて!」と言ってもいい。
 
ひとりで頑張る時代は終わりました。
みんなで頑張る時代も終わりました。
 
これからは“人と高め合う時代”です。
 
人はみんな「自分を認めて欲しい」と思っています。
「自分を褒めて欲しい」と思っています。
「自分に気づいて欲しい」と思っています。
 
だから『うっせぇわ』なのです☆
この作者は、きっと自分に気づいて欲しかった…。
こうやって思っている自分を認めて欲しかったのだと思います。
 
“人と高め合う時代”に必要なこと。
 
○自分に許可を出すこと
○人を承認すること
 
この2つだけです。
 
人に頼ってもいいと自分に許可を出せれば、
相手を認めることもできます。
 
そして不思議なことに、
相手を認めると、自分を頼ってくれたりします。
 
人に迷惑をかけずに生きている人なんて、
この世に存在しないのです。
 
 
 
…と、そんなことを言っても、
人は、なかなか今までの価値観や考え方を変えることができません。
 
そんなときは、今まで頼ったことのない人を
頼ってもいいのかもしれません。
 
 
 
私自身はそうでした。
 
頑なに心を閉ざしていた人だったので、
周囲の人に頼れるはずもなく…。
 
でも、全然知らない人には、
少しずつ自分の話ができるようになっていきました。
 
自分の話を聞いてくれる、という安心した環境があれば、
『うっせぇわ』と跳ね返していた自分の反応が、
ちょっとずつ…しなやかになっていくのが分かりました。
 
そして、自分の過去を話し合える人たちに励まされて、
今の自分がここにいます。
 

 
人を変えることはできません。
 
 
でも、自分が変わったことで、
周りの人が変わっていくことは、本当に多いのです。
 
 
風の時代らしく、
しなやかに生きていきたい人、
ぜひ私に会いに来てください❀
 
心よりお待ちしています✿